先祖調査をお勧めすると、たいてい「そのうちやります」という反応が返ってきます。急ぐ理由がないように感じるのは無理もありません。戸籍は役所に保管されている公的な記録で、いつでも取れるものだと思われがちです。

しかし実際には、そうではありません。

除籍・改製原戸籍には保存期間があります

現在戸籍法で定められている除籍・改製原戸籍の保存期間は150年です。以前は80年だったものが、2010年(平成22年)の法改正で延長された経緯があります。150年と聞くと十分長く感じるかもしれませんが、これは「その戸籍が除籍・改製されてから」の年数です。つまり、代々古い戸籍から順に、保存期限を迎えたものから廃棄されていきます。

すでに保存期間を過ぎて廃棄されてしまった戸籍については、どれだけ費用をかけても、どれだけ優秀な専門家に依頼しても、二度と取り戻せません。

2010年より前に廃棄された戸籍は、延長の対象外です

注意したいのは、2010年の法改正で保存期間が150年に延長されたのは、その時点でまだ保存されていた戸籍に限られるという点です。改正前の80年ルールのもとで既に廃棄期限を迎え、実際に廃棄されてしまっていた戸籍については、後から150年に延長されても復活しません。特に古い世代の除籍・改製原戸籍を探す場合、この世代の記録が既に失われているケースは実務上珍しくありません。

「まだ大丈夫」と思っていた戸籍が、実は廃棄されていることがあります

自治体によって保存・廃棄の運用には差があり、実際の調査の現場では「本来ならまだ残っているはずの戸籍が、既に廃棄されていた」というケースに度々出会います。役所の保存スペースの都合や、過去の運用の違いによるものです。

つまり、法律上の期限だけを信じて「まだ150年経っていないから大丈夫」と油断はできません。調べられるタイミングで調べておく、という以外に確実な対策はないのです。

戸籍だけでなく、記憶にも期限があります

もう一つの期限は、戸籍そのものではなく、それを読み解ける人の存在です。旧字体やくずし字で書かれた明治・大正期の戸籍は、専門知識がないと正確に読み取れません。加えて、戸籍の記録の背景にある事情——なぜ転籍したのか、なぜ養子に出されたのか——を知っているのは、多くの場合その世代を直接知る親族だけです。

戸籍という記録の期限と、それを語れる人という期限。両方が同時に迫っていることを、意識しておいた方がよいでしょう。

よくある質問

Q. 自分の戸籍が既に廃棄されているかどうか、依頼する前に知る方法はありますか。 A. 役所に問い合わせれば教えてもらえますが、正確な範囲を把握するには実際に請求してみるのが確実です。TADOROOTSでは、この確認作業も含めて代行できます。

Q. 廃棄されていた場合、そこで調査は終わりですか。 A. 戸籍としては終わりですが、過去帳や旧土地台帳、地方史などの別の史料で、その先を補える場合があります。まずはどこまで戸籍が残っているかを確認することが最初のステップです。

TADOROOTSでは、どこまで遡れそうかを含めて、まず無料相談で状況をお伝えしています。

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