生前贈与で家族が揉めないために|税制より先に整理すべき「家族の歴史」

生前贈与について調べると、出てくる情報のほとんどは制度の話です。年間110万円の非課税枠(暦年贈与)、相続時精算課税制度、教育資金や住宅取得資金の一括贈与の特例。数字とルールを追いかけていると、いつのまにか「誰に、なぜ贈るのか」という一番大事な部分が後回しになりがちです。
2024年の税制改正で押さえておきたい変更点
2024年(令和6年)1月1日の改正により、相続時精算課税制度にも年110万円の基礎控除が新設されました。これにより、累計2,500万円の特別控除とは別枠で、年110万円までの贈与であれば申告不要かつ相続財産への加算も不要になっています。あわせて、暦年贈与を選んだ場合の生前贈与加算期間(亡くなる前の贈与を相続財産に加算する期間)も、従来の3年から7年へ段階的に延長される経過措置が2024年から2030年にかけて進んでいます。
制度がどう変わっても、「誰に、なぜ贈るのか」という判断そのものは税制の外側にあります。
「平等に分ける」が、実は一番難しいことです
複数の子どもがいる家庭で生前贈与の相談を受けると、多くの方がまず「平等にしたい」とおっしゃいます。もっともな話です。しかし実際に話を詰めていくと、平等の意味は家庭ごとにまったく違うことがわかってきます。
長男が家業を継ぐ前提で土地を多めに渡すべきなのか、それとも現金で均等にすべきなのか。実家の近くに住んで介護を担ってきた子どもと、遠方にいる子どもを、同じ扱いにしていいのか。こうした判断には、税制の知識ではなく、その家族固有の歴史と事情が必要になります。
判断の理由を、本人の言葉で残しておきます
生前贈与を進める際、税理士は最適な贈与額やタイミングを設計してくれます。しかし「なぜこの分配にしたのか」という理由まで書面に残してくれるわけではありません。
この「なぜ」が抜け落ちると、後になって「自分だけ少なかった」という不満につながりやすくなります。逆に、判断の背景——たとえば創業の際にどの子がどう関わったか、誰が実家を守ってきたか——が記録として残っていれば、たとえ分配に差があっても納得は得やすくなります。
家系図と一緒に、事情も棚卸しします
TADOROOTSでは、家系図の制作と並行して、家族の歴史や個々の事情をインタビュー形式で整理することができます。誰がどの時期に何を担ってきたか、土地や事業にどんな経緯があったか。こうした情報は、贈与や相続の判断そのものではなく、その判断を家族全員が納得して受け入れるための土台になります。
制度の設計は専門家に任せて構いません。しかし「なぜその判断に至ったか」を記録に残す作業は、今のうちにしかできません。
よくある質問
Q. 税理士への相談と、TADOROOTSへの相談は同時に進めても大丈夫ですか。 A. 問題ありません。むしろ、贈与額やタイミングの設計(税理士)と、判断の背景を記録する作業(TADOROOTS)は並行して進めることで、両方がスムーズに仕上がります。
Q. 家族の歴史を記録する作業は、どのくらいの期間がかかりますか。 A. インタビューの回数や対象人数によりますが、数週間から数ヶ月程度を見込んでいただくことが多いです。まずは無料相談で具体的な見通しをお伝えします。