先祖調査先祖調査はどこから始める?初めてでも迷わない5つのステップ
公開:更新:執筆:荻野光希(TADOROOTS 調査担当)
お盆やお正月に親戚が集まったとき、ふと「ひいおじいさんって、どこの出身だったんだろう」と気になったことはありませんか?
いざ調べてみようと思っても――
- 何から手をつければいいのか分からない
- 戸籍が大事らしいけれど、どこで、どうやって取ればいいの?
- 専門的な知識がないと、無理なのでは……
と、最初の一歩で止まってしまう方がとても多いのです。
でも、安心してください。先祖調査に、特別な知識はいりません。 最初の一歩は、自分の戸籍を1通取ること。そこから1通ずつさかのぼっていけば、古い戸籍が残っている家なら、江戸時代の終わりごろに生まれたご先祖様までたどれることがよくあります。
この記事では、TADOROOTSで家系図づくりのために戸籍を集め、読んできた調査担当が、初めての方でも迷わない5つのステップをご紹介します。
この記事を読むと分かること
- 先祖調査の始め方(5つのステップ)
- 戸籍の取り方と、近くの役所で取れる範囲
- 分かったことの書き留め方
- 初めての人がつまずきやすいポイント
先祖調査は「自分の戸籍」から始まります
先祖調査は、自分の戸籍を取り、そこに書かれた「前の戸籍」をたどって、親・祖父母へと1通ずつさかのぼるのが基本です。主役は戸籍です。戸籍には、その人がどこから来たのか(前の戸籍)が書かれています。ですから、自分の戸籍 → 親の戸籍 → 祖父母の戸籍 と、1通ずつ手がかりをたどっていけば、自然とご先祖様にさかのぼっていけるのです。
全体の流れは、この5つのステップです。

ひとつずつ見ていきましょう。
ステップ1 家族に聞いて、手元の資料を集める
先祖調査の最初の準備は、家族から祖父母・曾祖父母の名前や出身地を聞き、家にある古い戸籍の写しや位牌、写真を集めることです。ここで集めた話が、あとで戸籍を読むときの大きな手がかりになります。
聞いておきたいこと
- 祖父母・曾祖父母の名前と、だいたいの生まれた年
- 出身地や、昔住んでいた場所
- 本籍地(親の戸籍の住所)
- 「〇〇家から養子に来た」「分家した」などの家の言い伝え
探してみたい資料
- 古い戸籍の写し(相続のときに取ったものが残っていることがあります)
- 位牌や過去帳(亡くなった方の名前と日付が書かれています)
- 古い写真の裏書き、手紙、年賀状
話を聞くときは、いつ・誰から聞いたかをメモしておきましょう。録音するときは、ひとこと断ってからにすると安心です。古い写真や書類は、原本を傷めないよう、まずスマートフォンで撮影しておくのがおすすめです。
聞いた話は、ご先祖様にたどり着くための「手がかり」です。思い違いが混じっていることもあるので、あとで戸籍と見比べて確かめていきましょう。
ステップ2 まず自分の戸籍を取る
自分の戸籍は、本籍地の役所に請求する(郵送もできます)か、近くの役所の窓口でまとめて取る(広域交付)かの、2つの方法で取れます。
本籍地の役所に請求する
自分の本籍地の役所に請求します。窓口に行くほか、多くの役所では郵送でも請求できます。遠方に住んでいる方や、平日に役所へ行けない方は、郵送が便利です。
近くの役所でまとめて取る(広域交付)
令和6年(2024年)3月から、本籍地でなくても、近くの役所の窓口で戸籍を取れるようになりました(広域交付)。これまでは、遠くの本籍地の役所へ1通ずつ郵送で請求し、届くまで何日も待つのが当たり前でした。いまは、本籍地がばらばらでも、1か所の窓口でまとめて請求できます。

広域交付で取れるのは、本人・配偶者・父母や祖父母・子や孫の戸籍です。兄弟姉妹やおじ・おばの戸籍は取れません。

窓口では、こう伝えるとスムーズです
「家系図をつくるために、広域交付で、父母(または祖父母)からさかのぼれる戸籍と除籍謄本を、すべてお願いします」

古い戸籍は、窓口からほかの役所へ問い合わせて用意するため、受け取りまで数時間、ときには後日になることもあります。受け取りの目安の時間を窓口で確かめて、一度外に出ると気楽に待てます。
出かける前のチェックリスト
- 自分の本籍地と筆頭者が分かっている(分からなければ、本籍と筆頭者が載った住民票で確認できます)
- 広域交付の予約がいるか、受付が何時までかを、役所のホームページで確かめた(広域交付は、ふだんの窓口より早く受付を終える役所もあります)
- 顔写真つきの本人確認書類の原本を持った(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど。健康保険証や社員証は使えません)
- 手数料の現金を用意した(クレジットカードが使えるかは役所によって違います)
手数料は1通あたり、戸籍謄本が450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本が750円です。調査の現場での目安では、ひとつの家系をさかのぼると7〜10通ほどになるので、5,000〜7,500円くらいを用意しておくと安心です。
広域交付は、請求する本人が窓口へ行くしくみです。郵送や代理人には頼めません。また、戸籍の一部だけの証明書(抄本)や、コンピュータで管理されていない一部の古い戸籍は取れないことがあります。
ステップ3 親 → 祖父母と、1通ずつさかのぼる
戸籍には、その人が「どの戸籍から来たのか」(前の本籍と筆頭者)が書かれています。それを手がかりに、親の戸籍、祖父母の戸籍と1通ずつ取っていくのが、さかのぼり方の基本です。たとえば、結婚して新しく戸籍を作った人なら、親の戸籍の本籍と名前が書かれています。
古くなるほど、筆で書かれた縦書きの戸籍になっていきます。
さかのぼっていくと、書き方の違う戸籍がいくつも出てきます。時代ごとの書き方の違いと、古い戸籍に出てくる言葉は、こちらの記事で紹介しています。
ステップ4 分かったことを表に書き出す
取った戸籍で分かったことは、人物ごとに名前・続柄・生まれた年・どの戸籍で分かったかを表に書き出しておくと、あとで迷いません。戸籍が何通か集まると、「この人、どの戸籍に出てきたっけ?」と分からなくなりがちだからです。
たとえば、こんなふうに書きます(架空の「仮野家」の例です)。
| 人物 |
分かったこと・どの戸籍で分かったか |
仮野 正一 (祖父) |
明治38年生まれ。父の戸籍と、祖父自身の戸籍の両方に出てくる |
仮野 はる (祖母) |
明治42年生まれ。祖父の戸籍に「〇〇村から婚姻で入籍」とある |
仮野 吉蔵 (曾祖父) |
生まれた年は「?」(まだ分からない)。祖父の戸籍の父の欄に名前だけ出てくる |
ポイントは、「どの戸籍で分かったか」を一緒に書いておくこと。あとで見返したとき、どこを確かめればいいかがすぐに分かります。
ステップ5 分からないところは「?」で残す
読めない字や、つじつまの合わない記載は、推測で埋めずに「?」のまま残しておくのが、正確な家系図への近道です。調べていくと、こうした箇所は必ず出てきます。
あとで別の戸籍が見つかって、すっきり分かることもよくあります。分からないところを分からないと残しておくのは、正確な家系図を作るための大事な一歩です。古い戸籍の字が読めないときは、こちらも参考にしてください。
初めての人がつまずきやすい3つのポイント
兄弟姉妹やおじ・おばの戸籍は、自分では取れない
戸籍を取れるのは、基本的に自分と、配偶者、まっすぐ上の世代(父母・祖父母)と、まっすぐ下の世代(子・孫)です。兄弟姉妹やおじ・おばの戸籍は取れません。その方の協力が必要になります。
平日に役所へ行けない
近くの役所でまとめて取る広域交付は、本人が窓口へ行く必要があります。平日に行けない方は、本籍地の役所への郵送での請求を使いましょう。
古い戸籍が、もう処分されている
古い戸籍には保存期間があり、期間を過ぎて処分されたものは取れません。保存期間のことは、こちらの記事でくわしく紹介しています。
まとめ:最初の一歩は、自分の戸籍を1通取ること
- 先祖調査は、自分の戸籍から1通ずつさかのぼっていく
- 取った戸籍で分かったことは、「どの戸籍で分かったか」と一緒に表に書き出す
- 分からないところは「?」で残しておけば大丈夫
1通目の戸籍を手にしたとき、そこに書かれた本籍地や名前から、家族の歴史の続きが少しずつ見えてきます。ご先祖様に出会う旅を、ぜひ楽しんでください。
集めた戸籍を、一冊の家系図に
戸籍が集まってきたら、次は家系図にまとめてみませんか。TADOROOTSでは、戸籍の集め方のご案内から、古い戸籍の読み解き、家系図の制作までお手伝いしています。プランの違いは家系図制作・ルーツ調査、料金はプラン診断・料金一覧でご覧いただけます。
よくある質問
Q. 戸籍で、何代前までさかのぼれますか。
家によって違いますが、古い戸籍が残っていれば、江戸時代の終わりごろに生まれたご先祖様までたどれることがよくあります。いま取り寄せられるいちばん古い戸籍は、明治19年式と呼ばれる書き方のものです。ただし、保存期間を過ぎて処分された戸籍は取れません。
Q. 戸籍を集めるのに、費用はどれくらいかかりますか。
役所の手数料は1通あたり、戸籍謄本が450円、除籍謄本・改製原戸籍謄本が750円です。さかのぼる家系や代の数によって必要な通数は変わり、数通から十数通になることもあります。郵送で請求する場合は、郵便料金と小為替の手数料もかかります。
Q. 平日に役所へ行けません。
本籍地の役所への郵送での請求を使いましょう。多くの役所で郵送での請求を受け付けています。請求の方法や必要な書類は、各役所のホームページで確認できます。
Q. 祖父母の本籍地が分かりません。
自分の戸籍、親の戸籍と順にたどっていけば、祖父母の本籍地は戸籍に書かれています。家族の誰も覚えていなくても、戸籍をさかのぼることで分かります。
Q. 同じ人なのに、戸籍によって名前の字が違います。
古い戸籍では、同じ人でも旧字と新字、ひらがなとカタカナなど、書き方が違うことがよくあります。どちらかにそろえず、戸籍ごとの書き方をそのまま書き留めておき、「生年月日と親の名前が同じだから同じ人」のように、そう考えた理由もメモしておきましょう。
Q. 兄弟姉妹の戸籍も取れますか。
自分では取れません。戸籍を取れるのは、基本的に本人・配偶者・父母や祖父母・子や孫の戸籍です。兄弟姉妹の戸籍が必要なときは、その方に協力をお願いしましょう。
Q. 古い戸籍の字が読めません。
古い戸籍は筆で崩して書かれていて、読めないのは当たり前です。まわりの読める字や、同じ人が出てくる別の戸籍と見比べると、読めることがよくあります。くわしくは古い戸籍のくずし字が読めない!ご先祖様の名前を読み解く5つのコツで紹介しています。
Q. 作った家系図は、相続の手続きにも使えますか。
家系図は、家族の歴史を残し、親族の関係を見渡すためのものです。相続の手続きには、戸籍そのものや、法務局の「法定相続情報一覧図」などが必要になります。手続きのことは、専門家や法務局にご確認ください。
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参照資料(2026-10-16確認)